読書逍遥

読書逍遥第413回『すべての道はローマに通ず』(その11) 塩野七生著

冨田鋼一郎

『すべての道はローマに通ず』(その11) 塩野七生著

ローマ帝国の都 ローマ 政治、経済、文化の中心
「世界の首都(カプトゥ・ムンディ)」

ローマ街道を進む速度を人類が超えることができたのは、最近になってから、19世紀半ばからはじまった鉄道の発展と、20世紀に入っての自動車の普及によってである

ローマ帝国の滅亡からの一千四百年の歳月は、速い交通手段が人間の足と馬と馬車であり続けた状態には変化はなかった

これだけ広範な地をこれだけ長く維持したのは、次々と征服した異民族を隷属させず、同じ法の下で市民として受け入れ、敗者の町は「地方自治体(ムニチピア)」として、この共同体内部での自治が完全に認められていたからだ

パックス・ロマーナ(ローマの平和)と言われる所以だ

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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