第96回 寺田寅彦の初期随筆『花物語』
冨田鋼一郎
有秋小春
エジプト人のピラミッドとローマ人の街道網の違い
資材の調達方法の違い エジプト人は必要と思った資材は遠方からでもわざわざ運ばせて使う。ローマ人は極力現地で調達可能な資材を活用する。
目的 ただ1人の人間の死後のための工事か、それともより多くの人間の現世の生活に役立つことを考えての工事か
古代ローマ公共事業のモットーとは
○堅固で長持ち
○機能性に優れ
○かつ美しい
エジプト人は、そもそも交通路としても最適なナイル川に恵まれていたので、街道と呼ぶに値する道路は必要がなかった
ギリシャ人は、海上交通が盛んであったことと、都市国家の抗争が激しかったので、各ポリス間を結ぶ街道網の敷設など考えもしなかった
ペルシャ帝国には、紀元前5世紀にすでにギリシャの歴史家ヘロドトスを驚嘆させた「王道」があった
それはペルシャ湾に近いペルセポリスから地中海側のサルディスまでの二千五百キロを結んでいた
しかし、アッピア街道ならば五本分になる二千五百キロの距離も一本だけだった
ローマ街道の最大の特長は、単線ではなく、「ネットワーク化」されていたこと
他では「ネットワーク化」の発想は見られない