読書逍遥第381回 フランス『恋と自由のセーヌ川』1986刊行
冨田鋼一郎
有秋小春
著者はインフラを広く、ハードとソフトの両面で捉えている
ハード 街道、橋、水道など
ソフト 医療、教育、税制、通貨、治安、安全保障など
ローマ人が築き上げたインフラを学問テーマとして取り上げようとした場合、大きな困難が伴うため、研究者や学者は敬遠しがちだ
ヨーロッパ、中近東、北アフリカにまたがるローマ世界と、1千年を越えるローマ時代という、空間的にも時間的にも広大な範囲を、自在に泳ぎ回るに似た能力を求められる
著者はこれに挑戦する
読者にも相応の覚悟を求める