読書逍遥

読書逍遥第403回『すべての道はローマに通ず』(その2) 塩野七生著

冨田鋼一郎

『すべての道はローマに通ず』(その2) 塩野七生著

ローマ人の「ハードなインフラストラクチャー」とは、街道、橋、港、神殿、公会堂(バジリカ)、広場(フォールム)、劇場、円形闘技場、競技場、公共浴場、水道などのこと

(著者の言葉)

インフラストラクチャー(社会資本)くらい、ローマの民族の資質を表すものはない

「ローマ人の物語」中の一巻を、ローマ人が築き上げたインフラストラクチャーのみに捧げたいと言う想いは、第1巻の「ローマは一日にして成らず」を書いていた当時から私の頭の中にあった。

ローマ人は、インフラの重要性への認識ならば共有しているといっても良い現代人から、「インフラの父」とさえ呼ばれている民族なのだ

ローマ人はインフラを「モーレス・ネチェサーリエ(必要な大事業)」、つまり”人間が人間らしい生活をおくるために必要な大事業”と捉えていた 

「文明」
ローマ人は、人間が人間らしい生活を送ることを、「文明」という一語で表現していた

「文明」を意味する言葉は、英語でもフランス語でもイタリア語でも、全てラテン語の「チヴィリタス」(civilitas)を語源にしている

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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