読書逍遥第199回 『死因の人類史』アンドリュー・ドイグ著
冨田鋼一郎
有秋小春
ローマ人の「ハードなインフラストラクチャー」とは、街道、橋、港、神殿、公会堂(バジリカ)、広場(フォールム)、劇場、円形闘技場、競技場、公共浴場、水道などのこと
(著者の言葉)
インフラストラクチャー(社会資本)くらい、ローマの民族の資質を表すものはない
「ローマ人の物語」中の一巻を、ローマ人が築き上げたインフラストラクチャーのみに捧げたいと言う想いは、第1巻の「ローマは一日にして成らず」を書いていた当時から私の頭の中にあった。
ローマ人は、インフラの重要性への認識ならば共有しているといっても良い現代人から、「インフラの父」とさえ呼ばれている民族なのだ
ローマ人はインフラを「モーレス・ネチェサーリエ(必要な大事業)」、つまり”人間が人間らしい生活をおくるために必要な大事業”と捉えていた
「文明」
ローマ人は、人間が人間らしい生活を送ることを、「文明」という一語で表現していた
「文明」を意味する言葉は、英語でもフランス語でもイタリア語でも、全てラテン語の「チヴィリタス」(civilitas)を語源にしている