読書逍遥

読書逍遥第396回『コンスタンチノープルの陥落』(その3) 塩野七生著

冨田鋼一郎

『コンスタンチノープルの陥落』(その3) 塩野七生著

もう少し『コンスタンチノープルの陥落」にこだわる

(陥落後の主な出来事)
・教会をモスクに改造
・大砲という新兵器は、築城技術と城壁の形態を変え、中世の騎士階級を役立たずの地位に
・トルコ帝国、アドリアーノポリからコンスタンチノープル(イスタンブルに改名)に遷都
・黒海南岸をトルコ支配下に
・黒海北岸カッファを占領し、クリミアへの道を開く
・セルビア、ボスニアをトルコ支配下に
・ジェノヴァ支配下だったレスボス島をトルコ支配下に
・アルバニアはじめバルカンを支配下に
・地中海はイスラムの湖に
・1481年、モハメッド二世の死(49歳)

コンスタンチノープルを制圧したオスマントルコ帝国は、16世紀スレイマン大帝時代に最盛期を迎え、第一次世界大戦が始まる20世紀初頭まで続く

西洋の人々にとって、1453年のコンスタンチノープル陥落は、1346-1356の黒死病による大量犠牲と相まって、精神上計り知れない打撃となった

ここから西洋がどのように封建制終焉、ルネサンス、大航海時代、啓蒙主義へと近代化の道を歩んでいくのかを理解するのは後の課題

まずは時代を遡り、イタリア半島統一、ローマ帝国の誕生から王政、共和制へと続く興隆の跡を辿ることにする

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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