読書逍遥第199回 『死因の人類史』アンドリュー・ドイグ著
冨田鋼一郎
有秋小春
1453年 コンスタンチノープルの陥落
表紙の絵は、城壁に囲まれた三角形のコンスタンチノープル(ビザンチン帝国の最後の拠点)のオスマントルコスルタン勢に陸海両面から攻められる場面が描かれている
左上がボスホラス海峡、左右の三角二等辺は金角湾(ゴールデンホーン)とマルマラ海
金角湾の突端にある橋がガラタ橋
ガラタ橋を北に渡るとこれも城壁に囲まれたジェノヴァの商館・居留区
敵味方の多くの大型帆船、ガレー船が浮かぶ
スルタンの天幕を張った軍隊が北西側をとり囲む
城壁に向かって大砲が据えられる
(当時の主要な商業ルート)
黒海ーマルマラ海ーエーゲ海ーイオニア海ーアドリア海ーティレニア海ージェノヴァとヴェネツィア
民族、宗教、文化の対立
長い歴史を刻んだガラタ橋の欄干に佇んで、モスクの尖塔(ミナレット)に串刺しされていく落日を眺めてみたい