読書逍遥

読書逍遥第387回『勇気論』(その2)内田樹著

冨田鋼一郎

『勇気論』(その2)内田樹著

人間の教育(初等、中等)の要諦は、段階を追って行うこと その順番を間違えてはいけない

①「心を開いて他者に接する無防備さを保証する」環境を

幼い子どもにのびのび成長してほしい、たくさん学んでほしいと願うには、まず「人を信じること、人に身を預けること」という大切な環境を与えること

それには、”誰も君を傷つけない”という保証が与えられなければいけません

②まず信じることを教えてから、次に、「人を見る目を養う」

ある年齢に達したら、世の中には決して信用してはいけないタイプの人間が存在することを教えなくてはいけません

自分を守る手立てを身に付けることは、世の中に踏み出すために必要なことです

それは「人を見る目を鍛えておく」ということです

⇨昨今、親が子どもに幼い頃から「見知らぬ人から声をかけられたら、用心しなさい」と言わなくてはならなくなった

①の無防備な時期を経ないまま、②を教えることなので、由々しい事態

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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