読書逍遥第197回 『細胞』(上・下) (その15)ジッダールタ・ムカジー著
冨田鋼一郎
有秋小春
人間の教育(初等、中等)の要諦は、段階を追って行うこと その順番を間違えてはいけない
①「心を開いて他者に接する無防備さを保証する」環境を
幼い子どもにのびのび成長してほしい、たくさん学んでほしいと願うには、まず「人を信じること、人に身を預けること」という大切な環境を与えること
それには、”誰も君を傷つけない”という保証が与えられなければいけません
②まず信じることを教えてから、次に、「人を見る目を養う」
ある年齢に達したら、世の中には決して信用してはいけないタイプの人間が存在することを教えなくてはいけません
自分を守る手立てを身に付けることは、世の中に踏み出すために必要なことです
それは「人を見る目を鍛えておく」ということです
⇨昨今、親が子どもに幼い頃から「見知らぬ人から声をかけられたら、用心しなさい」と言わなくてはならなくなった
①の無防備な時期を経ないまま、②を教えることなので、由々しい事態