読書逍遥

読書逍遥第385回『勇気論』(その1)内田樹著

冨田鋼一郎

『勇気論』(その1)内田樹著

教育のあり方について、いくつかの視点を提示

⭕️「そもそも友情と勇気は相性が悪い」
友情→理解と共感に基づいて成立する
勇気→周りから理解も共感も支援もないところから何事かを始めるために必要

⭕️「知性の活性化」
知性とは、知識とか情報とか技術という定量的なものではない。むしろ、疾走感とか、グルーヴとか、跳躍力とか、そういう力動的なものである

問いを立てるのは、有益な情報を聞けるからではない。答えを得るためではない

問いを立てるのは、問題の所在を知ること、問題をここに難問ありとアンダーラインをすること

適切な仕方で問いを立てることは、問題に正解することと同じくらいに(あるいはそれ以上に)価値のあることである

答えが与えられると、話は終わってしまう、もう考えなくても良いということだから

知性を養うは、未知の状況にも対処できる力を備えるということ

どうしていいかわからないときにどうしていいかわかること

⭕️勇気は、”恐れないこと”と、時には”.恐れること”のどちらにも必要
→勇気があれば負けることができる
→自分が間違っていたら、すみませんと謝る勇気を持つ

スポンサーリンク

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
記事URLをコピーしました