読書逍遥第291回『中国・蜀と雲南のみち』(その2) 司馬遼太郎著
冨田鋼一郎
有秋小春
原題
BEING HUMAN
How Our Biology Shaped World History
身体に関わる自然・社会諸科学の知見を駆使して、人類が辿った歴史に迫るユニークな好書!
思いがけないいくつかの視点を組み合わせて全体知に迫る野心的な試み
「著者のオリジナリティ」
「知らないことを知るとはこのような営為」
「学ぶよろこび」
「読書のよろこび」
歴史の見方がさらに奥行きの深いものになる
こんなことを感じながら、ページを捲る
「浅くとも広く関心を持とう」これを老後の愉しみにする
○風土病(エンデミック)、流行病(エピデミック)の2章
風土病に着目して、地域によって植民地支配の有り様が異なること
○精神状態を変えるために摂取するアルコール、カフェイン、ニコチン、アヘンなどの物質についての章「気分を変える」章
○遺伝子変異についての「コーディングエラー」の章
○「認知バイアス」の章
(帯文)
肉体をもった生物としての人類の壮大な歴史
疫病、人口問題、遺伝的変異、アルコール・カフェイン・薬物、長子相続、認知バイアス、、、歴史を動かした身体性!
人間には身体的な壁があるからこそ、歴史は作られた。「身体」から初めて世界史を総合的に解き明かした名著!
(はじめに)
本書では、人類の歴史の奥深くまで潜り、文化や社会、文明に人間の根本的な特徴がどのように現れていたかを探ることにする。
ヒトの遺伝子や生化学、解剖学、生理学、心理学上の奇妙な癖がどのように発露してきたか、そして一度の重大な出来事という観点だけでなく、世界の歴史で終始一貫して長期に見られた傾向の結果や波及効果が何であったかを探求したい、、、ヒトの体の特徴は、僕らが互いに学ぶ慣習や行動、技能などの人間の文化的発展に、もっと微妙な方法でも影響を及ぼしてきた。