読書逍遥

読書逍遥第379回 中国『悠久の山河 古都の春秋』1986刊行

冨田鋼一郎

中国『悠久の山河 古都の春秋』1986刊行

「世界 知の旅」シリーズ3
責任編集 森本哲郎

世界を旅する時、必携のガイドブック

見るだけの旅から、共感する旅へ
旅を深める新しいガイド

(まえがき)

中国と日本とは千数百年来の深いつきあいであるにもかかわらず、早い間日本人は中国大陸の土を踏むことができなかった。

中国をこの目で見ることをできたのは、遣隋使、遣唐使、あるいは朱印船といった形で送られた外交使節、学僧、絵師、公認の貿易商人など、ごく限られた人たちに過ぎず、それだけに、この文化大陸に寄せる日本人の思いは募るばかりだった。

その思いは芭蕉をはじめとして、日本の文人の作品に色濃くにじんでいる。

文字はもとより、その歴史、思想、習俗に至るまで馴染んできたこの隣国を旅することは、古人の見果てぬ夢を果たすことでもある。

それだけに中国の旅は期待が大きく、同時に責任も重い。そう考えつつ私は本書を編んだ。

それにしても、あまりに広い国土、あまり古い歴史、あまり厚い文化、そして日本との奇しき因縁、、、この国を旅する人は、途方にくれることだろう。

本編がその旅への誘いとなり、良き案内役となってくれれば、と心から願っている。

☆☆
(古典的名著アンソロジー)
論語 荘子 史記 三国志 紅楼夢 王羲之蘭亭序 魯迅 林語堂 パールバック

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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