読書逍遥第222回 『オランダ紀行』(その11) 街道をゆく35 司馬遼太郎著
冨田鋼一郎
有秋小春
「世界 知の旅」シリーズ1
責任編集 森本哲郎
世界を旅する時、必携のガイドブック
見るだけの旅から、共感する旅へ
旅を深める新しいガイド
(まえがき)
ギリシャは、私たち日本人にとって、まさしく奇しき因縁で結ばれている国といえるのではなかろうか。
というのは、戦後の日本は、知らずのうちに古代ギリシャを基本とし、その文化に深く浸されているからである。
第一にデモクラシー。これは古代アテネ生み出した政治理念である。
第二に経済。古代ギリシャ人は類まれな商売上手だった。
第三にスポーツ。日本の町に必ず見られるスタジアムはギリシャ語に由来する。
そればかりか、オーケストラも、コーラスも、みなギリシャ人がつくり出したものだし、エロスは古代ギリシャの愛の神である。エネルギーも、ポリスも、スパルタ教育も、全てそうだ。
とすれば、私たちはもっとギリシャを知らなくてはならない。二千年後の現在にまで、素晴らしい光芒を放っているギリシャ文化を。
そう思いつつ、私は本を編んだ。
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著者の撮った玄人はだしの写真とキャプション
「世界の古都アテネの象徴、パルテノンの列柱。死せる神々と永遠の天才の栄光を青空に向かって高らかに歌いあげた、といわれる」
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(古典的名著アンソロジー)
ギリシャ神話、ホメーロス、ヘシオドス、プラトン、アリストテレス、ソポクレス、バイロン、シュリーマン