読書逍遥

読書逍遥第372回『李陵・山月記・弟子・名人伝』中島敦著

冨田鋼一郎

『李陵・山月記・弟子・名人伝』中島敦著

(教え子による教師漱石の回想)

「僕は一冊の本を、一回しか読まない。繰り返し読んでいたら、一生かかってもたくさん読めない。諸君も本を読むときは、生涯に一度しか読めぬものと思って読め。しかし、この本はと思うものは、字引を見るように何度も読んで、覚えてしまうことだ。」

自分は何度も繰り返し読まないと頭に入ってこない。若い時にこれを読んで、これでは漱石さんには敵わないと思った

しかし、時間が残り少くなり、漱石さんのこの言葉が胸に迫ってきている

今、本棚に長いことある本を「これが最後だ」という気持ちであれこれ手にしている。

☆☆☆

中島敦(1909-1942)

「山月記」「名人伝」など漢文調の文章を楽しむ

スポンサーリンク

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
記事URLをコピーしました