読書逍遥

読書逍遥第365回『大適応の始め方 気候危機のもうひとつの争点』モーガン・フィリップス著

冨田鋼一郎

『大適応の始め方 気候危機のもうひとつの争点』モーガン・フィリップス著

原題 GREAT ADAPTATIONS
In the Shadow of Climate Crisis

気候変動の危機に直面して、私たちはCO2削減に取り組んでいるから大丈夫と考えがちだ。しかしそれだけで充分とは言えない。

「緩和」=CO2排出量削減だけでは、気候危機を回避できるわけではない

「緩和」とは、温室効果ガス排出量削減のこと

気候変動対策には「緩和」だけでなく、もう一つ大事な柱がある。それは「適応」だ。

「適応」とは、気候変動に対処すべく、種々のインフラや営みを改変すること

「適用」は不可避であるが、問題はそのやり方である。良い方法と悪い方法があり、社会的に議論することが急務である。

社会格差を拡大したり、気候変動緩和を妨げたりする誤適応を避け、公正な適応を進めるためには、私たち市民のリテラシーと意識、そして積極的参加が不可欠である。

人類はじまって以来初めて試されている人類史規模の「適応」の仕方が、すべての人に突きつけられている

我々は生き残れるのか、それとも絶滅の道を歩むのか

紹介されたシリア自治行政区の「ロジャヴァに再び緑を」運動の例に希望を抱く

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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