読書逍遥

読書逍遥第363回『書物』(その2) 森銑三・柴田宵曲著

冨田鋼一郎

『書物』(その2) 森銑三・柴田宵曲著

月に本を一冊も読まない人が6割もいるという

一方「本屋大賞」「芥川賞・直木賞」などは”売らんかな”の魂胆が見え見えで、読む気がしない

大臣まで乗り出して業界テコ入れにやっきだそうだ

何か見当違いなことをして空回りしているのではないか

 本を見ることが好き、
 本に触れることが好き、
 本を買うことが好き、
 本を読むことが好き、
そして、
 本について語ることが好き

私は読書家とはほど遠いが、橘曙覧の「楽しみは」の歌は理解することができる

@@@@

橘曙覧「読楽吟」
⭕️ たのしみは珍しき書人に借り始め一ひらひろげたる時

⭕️たのしみは尋常(よのつね)ならぬ書に画にうちひろげつゝ見もてゆく時

⭕️たのしみはそゞろ読ゆく書の中に我とひとしき人を見し時

⭕️たのしみは書よみ倦めるをりしもあれ声しる人の門たゝく時

⭕️たのしみは世に解がたくする書の心をひとりさとり得し時

⭕️たのしみは人も訪ひこず事もなく心をいれて書を見る時

⭕️たのしみは数ある書を辛くしてうつし終えつゝとぢて見る時

月に本を一冊も読まない人が6割もいるという

一方「本屋大賞」「芥川賞・直木賞」などは”売らんかな”の魂胆が見え見えで、読む気がしない

大臣まで乗り出して業界テコ入れにやっきだそうだ

何か見当違いなことをして空回りしているのではないか

 本を見ることが好き、
 本に触れることが好き、
 本を買うことが好き、
 本を読むことが好き、
そして、
 本について語ることが好き

私は読書家とはほど遠いが、橘曙覧の「楽しみは」の歌は理解することができる

@@@@

橘曙覧「読楽吟」
⭕️ たのしみは珍しき書人に借り始め一ひらひろげたる時

⭕️たのしみは尋常(よのつね)ならぬ書に画にうちひろげつゝ見もてゆく時

⭕️たのしみはそゞろ読ゆく書の中に我とひとしき人を見し時

⭕️たのしみは書よみ倦めるをりしもあれ声しる人の門たゝく時

⭕️たのしみは世に解がたくする書の心をひとりさとり得し時

⭕️たのしみは人も訪ひこず事もなく心をいれて書を見る時

⭕️たのしみは数ある書を辛くしてうつし終えつゝとぢて見る時

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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