日々思うこと

父の残した膨大な短歌ファイルを繰る(その18)

冨田鋼一郎

どのページの歌をみても、親父の面影、息遣いを感じる

2週間で便箋一枚に歌が埋まる(最初は鉛筆で、途中1988年からワープロになる)

短歌でよく出てくる小動物は、小さな池にあつまるトンボとカエル

鳥では、一度だけ珍しく飛びおりてきた白鷺

そんな中、今もときどき中型の鳥が飛んでくる鳥がいる
キーキーとカン高い鳴き声なので「ヒヨドリ」だ

ヒヨドリのエサとしてリンゴをあげていた両親の日常の一端を短歌で知った 

私はそのことを知らなかったので、このことを話題にしたことがない

枝に挿してあげたのだろうか
「いつもの二羽」、番だ

母の真似をして、餌をあげてみたい

「ヒヨドリ」ニ首

○ 林檎やる妻を待つらしひよどりの
  いつもの二羽の窓越しに見ゆ
     (1999.4)

○ 盛り上がり咲く連翹の花に来て
  鳴きつつとまる二羽の鵯
     (1999.4)

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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