読書逍遥

読書逍遥第348回『わたしの唐詩選』(その1) 中野孝次著

冨田鋼一郎

『わたしの唐詩選』(その1) 中野孝次著

詩人名と幾つかの作品は学校時代に覚えた
しかし、バラバラに頭にあるだけ

各詩人の作風や相互関連などを点でなく、線とし、さらに面として地図に落とし込んで頭に入れていきたい

“古典に通暁する”
“自家薬籠中のものにする”
とはどのようなことか

やはりひとつひとつ作品を味わって、積み上げていくしか近道はない

「王孟韋柳(おうもういりゅう)」
陶淵明(365-427)のあとをつぐ唐代の四人の自然派詩人のことをこう呼ぶ

 王維(699?-761)
 孟浩然(689-740)
 韋応物(737?-804?)
 柳宗元(773-819)

唐代には他にも錚々たる詩人がいる
 李白
 杜甫
 白居易
 杜牧
 李商隠

☆☆☆

王維 「終南別業」

中歳頗好道/中歳頗(すこぶ)る道を好み
晩家南山陲/晩に家す南山の陲(ほとり)
興来毎獨往/興じ来たればつねに独り往き
勝事空自知/勝事空しく自ら知る
行到水窮處/行きては到る水の極るところ
坐看雲起時/座しては看る雲の起こる時
偶然値林叟/偶然林叟に値(あ)い
談笑無還期/談笑して還る期なし

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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