読書逍遥第344回『ぼくの哲学日記』(その1) 森本哲郎著1999
冨田鋼一郎
有秋小春
詩人名と幾つかの作品は学校時代に覚えた
しかし、バラバラに頭にあるだけ
各詩人の作風や相互関連などを点でなく、線とし、さらに面として地図に落とし込んで頭に入れていきたい
“古典に通暁する”
“自家薬籠中のものにする”
とはどのようなことか
やはりひとつひとつ作品を味わって、積み上げていくしか近道はない
「王孟韋柳(おうもういりゅう)」
陶淵明(365-427)のあとをつぐ唐代の四人の自然派詩人のことをこう呼ぶ
王維(699?-761)
孟浩然(689-740)
韋応物(737?-804?)
柳宗元(773-819)
唐代には他にも錚々たる詩人がいる
李白
杜甫
白居易
杜牧
李商隠
☆☆☆
王維 「終南別業」
中歳頗好道/中歳頗(すこぶ)る道を好み
晩家南山陲/晩に家す南山の陲(ほとり)
興来毎獨往/興じ来たればつねに独り往き
勝事空自知/勝事空しく自ら知る
行到水窮處/行きては到る水の極るところ
坐看雲起時/座しては看る雲の起こる時
偶然値林叟/偶然林叟に値(あ)い
談笑無還期/談笑して還る期なし
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