読書逍遥

読書逍遥第345回『ぼくの哲学日記』(その2) 森本哲郎著1999

冨田鋼一郎

『ぼくの哲学日記』(その2) 森本哲郎著1999

晩夏初秋

晩夏初秋。一年のうちで、僕はこの時期がいちばん好きだ。
気分が沈静し、記憶が鮮やかに蘇り、さまざまな回想に誘い込まれるからである。

○硝子(びいどろ)の魚(うお)おどろきぬ今朝の秋 蕪村

(解釈)
ガラス鉢の魚は何に驚いたのか?
立秋の朝、ガラス鉢の金魚がスイと動きを見せた。心なき魚も秋の気配を感じたのか。
ーーーー
確かに秋立つこの候は、毎年のことながら、新たなおどろきを呼び起こす。
そのおどろきは、詩的というより、哲学的、あるいは実在的と形容してもいいように思う。

晩夏初秋

晩夏初秋。一年のうちで、僕はこの時期がいちばん好きだ。
気分が沈静し、記憶が鮮やかに蘇り、さまざまな回想に誘い込まれるからである。

○硝子(びいどろ)の魚(うお)おどろきぬ今朝の秋 蕪村

(解釈)
ガラス鉢の魚は何に驚いたのか?
立秋の朝、ガラス鉢の金魚がスイと動きを見せた。心なき魚も秋の気配を感じたのか。
ーーーー
確かに秋立つこの候は、毎年のことながら、新たなおどろきを呼び起こす。
そのおどろきは、詩的というより、哲学的、あるいは実在的と形容してもいいように思う。

[コブシ]
[彼岸花(曼珠沙華)]
スポンサーリンク

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
記事URLをコピーしました