読書逍遥

読書逍遥第343回「牛肉と馬鈴薯」国木田独歩著

冨田鋼一郎

「牛肉と馬鈴薯」国木田独歩著

「驚き」について

たったひとつの願いは、「哲学への希求」

同期会宴席での岡本の発言

・僕の願ひは、死の秘密を知りたいといふ願(ねがひ)ではない。死てふ(という)事実に驚きたいといふ願ひです!

・僕等は生まれて此天地の間に来る。無我無心の小児の時から様々な事に出逢ふ。毎日太陽を見る、毎夜星を仰ぐ。是に於て、此不可思議なる天地も一向不可思議でなくなる。生も死も、宇宙満帆の現象も日常茶番となつてしまふ。

・僕の願ひは、如何にかして、此古び果てた習慣(カスタム)の圧力から脱がれて、驚異の念を以て此宇宙に俯仰介立したいのです。

@@@@

このたった一つの願い。

牛肉とは、現実主義のシンボル
馬鈴薯とは、理想主義の別名

「この世界の不思議に驚きたい」

驚き→好奇心→疑問→学問

世間の常識、習慣が驚くことを麻痺させる
驚く人と平気な人

ニュートンリンゴが地面に落ちる なぜ?

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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