読書逍遥第328回『河童』短編小説 芥川龍之介著
冨田鋼一郎
有秋小春
「驚き」について
たったひとつの願いは、「哲学への希求」
同期会宴席での岡本の発言
・僕の願ひは、死の秘密を知りたいといふ願(ねがひ)ではない。死てふ(という)事実に驚きたいといふ願ひです!
・僕等は生まれて此天地の間に来る。無我無心の小児の時から様々な事に出逢ふ。毎日太陽を見る、毎夜星を仰ぐ。是に於て、此不可思議なる天地も一向不可思議でなくなる。生も死も、宇宙満帆の現象も日常茶番となつてしまふ。
・僕の願ひは、如何にかして、此古び果てた習慣(カスタム)の圧力から脱がれて、驚異の念を以て此宇宙に俯仰介立したいのです。
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このたった一つの願い。
牛肉とは、現実主義のシンボル
馬鈴薯とは、理想主義の別名
「この世界の不思議に驚きたい」
驚き→好奇心→疑問→学問
世間の常識、習慣が驚くことを麻痺させる
驚く人と平気な人
ニュートンリンゴが地面に落ちる なぜ?