読書逍遥

読書逍遥第315回『文明の主役 エネルギーと人間の物語』(その13) 森本哲郎 2000年発行

冨田鋼一郎

『文明の主役 エネルギーと人間の物語』(その13)

石炭採掘の障害(炭鉱の排水)
蒸気機関の登場 ワットの特許1781

「道具」 とは、人間の身体の補助的役割 手の延長 親しみを与える
「機械」とは、複雑で熟練 疎外要因

道具が機械へと変質し、社会組織を根底から覆すほどの力を発揮し、化け物と化す

1811ノッティンガムの「ラダイト運動」
新たなエネルギーの発見と利用技術の開発は、<技術文明と人間社会><人間と機械>
について再考を強いている

→今人類は、人工知能(AI)の急速な発展を目の前にして、「第二のラダイト運動」が質を高め、形を変えて<技術文明と人間社会><人間と機械>の再考を迫っている

前例から何を学ぶのか

『ジェーン・エア』の作者シャーロット・ブロンテ(1816-1855)は、ラダイト運動が吹き荒れる社会に生きた人々の姿を『シャーリー』という小説の中で克明に描いている。その最後に、こう記している。

「物語は終わった。いま懸命な読者がメガネをかけて、教訓を求めておられるのが見えるような気がする。、、私としては、うまく見つかりますようにとお祈り申し上げるばかりである」

[機械と人間]
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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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