読書逍遥

読書逍遥第305回『文明の主役 エネルギーと人間の物語』(その3) 森本哲郎著 2000年発行

冨田鋼一郎

『文明の主役 エネルギーと人間の物語』(その3) 森本哲郎著

エネルギーを切り口に、人間の思想、歴史、文明を縦横に語る

視野が大きく開かれる思い

本書で取り上げる「力(エネルギー)」は、火、木材、風、風車、ダム、運河、馬、石炭、機械、鉄道、電灯、自動車、石油、大河、火山、太陽、原子力など

エネルギーなしに、生物は生きていけない。それは文明もしかり。

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エネルギーの語源 ギリシャ語「エネルゲイア」

アイスキュロス プロメテウスの火
火は、闇を照らす灯火であり、暖をとる熱、身を守る安全の役割

恩恵を施す代わりに、戒めとして人間を「運命を前から見えないように」した。

ヘシオドス パンドラの壺 ゼウスの憤懣 この世の一切の禍いが飛び出た壺に残されていたのは、「希望エルピス」だけ。

ニュートンの第三法則 作用・反作用の原理 あらゆる力は、それと等しい反対の力を伴うこと

ヘシオドスの物語は、この第3法則の詩的表現である

 先を見通す者 プロメテウス
 後で知る者  エピメテウス

プロメテウスに愛された人類は、たとえエピメテウスであったとしても、後で知ることができ、希望を与えられている。

知るという能力と、希望という生きるエネルギーを。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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