読書逍遥第281回『長江・夢紀行』さだまさし中国写真集 1983年発行
冨田鋼一郎
有秋小春
エネルギーを切り口に、人間の思想、歴史、文明を縦横に語る
視野が大きく開かれる思い
本書で取り上げる「力(エネルギー)」は、火、木材、風、風車、ダム、運河、馬、石炭、機械、鉄道、電灯、自動車、石油、大河、火山、太陽、原子力など
エネルギーなしに、生物は生きていけない。それは文明もしかり。
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エネルギーの語源 ギリシャ語「エネルゲイア」
アイスキュロス プロメテウスの火
火は、闇を照らす灯火であり、暖をとる熱、身を守る安全の役割
恩恵を施す代わりに、戒めとして人間を「運命を前から見えないように」した。
ヘシオドス パンドラの壺 ゼウスの憤懣 この世の一切の禍いが飛び出た壺に残されていたのは、「希望エルピス」だけ。
ニュートンの第三法則 作用・反作用の原理 あらゆる力は、それと等しい反対の力を伴うこと
ヘシオドスの物語は、この第3法則の詩的表現である
先を見通す者 プロメテウス
後で知る者 エピメテウス
プロメテウスに愛された人類は、たとえエピメテウスであったとしても、後で知ることができ、希望を与えられている。
知るという能力と、希望という生きるエネルギーを。