第85回『先生はえらい』内田樹 ちくまプリマー新書2005
冨田鋼一郎
有秋小春
司馬遼太郎の「中国・江南の旅」では、蘇州、杭州、紹興、寧波を文明史的に辿ってきた
さだまさしの本書は、今の生の人々の姿を窺い知ることができた
北にある黄河より長江の方が話題が多いようにみえる
西域に興味がある
☆☆☆☆
「蜀の桟道」 「九寨溝」 「楽山の大仏」 「蛾眉山」
蜀の桟道:
四川省と峡西省を結ぶ。凄まじく、垂直に切り立った絶壁に、くり貫かれた穴に丸太棒を入れ、箸を渡して、道を作った。それは知恵というより、勇気だ。
かつて、あの三国志の時代に、諸葛孔明が四輪車でこの道を越えたのだ。あるいは蜀の軍勢が敗走し退却する際に、敵の追撃路を断つために、この桟道に火を放ったりしたのだ。
この中国の旅の中の、僕にとっての、最大の精神の難所、心の難所だった。
九寨溝:
標高2600メートルの九寨溝は、少数チベット民族と漢民族が半々ずつ住む地だ。人々は今でも民族衣装を着たまま日常生活を送る。
楽山の大仏:
高さ71メートル、頭の直径10メートル、紀元713年から90年という歳月を費やして完成させた
蛾眉山:
標高3099メートルの山頂についに到達した。雲海、日の出、仏光、この3大神秘をこの目で確かめた。遠くに7000メートル級の大雪山山脈が見える。