読書逍遥

読書逍遥第286回『長江・夢紀行』(その6) さだまさし中国写真集 1983年発行

冨田鋼一郎

『長江・夢紀行』(その6) さだまさし中国写真集 1983年発行

[人間観 心の天井が高い 鷹揚・おおらかさ]

話がちょっとしち面倒臭くなったようですが、これが、僕が中国の人たちについて感じた最も大きな感想であり、また、僕の発見だったのです。

中国の人たちは、やはり心の天井が高そうな気がします。鷹揚なのです。僕はそのおおらかさに完全に魅せられました。

中国の人たちはこれからどんどん変わっていくだろう、文明が発展し変化していくごとに、その中の人たちも変わっていくだろうそう思います。

中国の人たちは素晴らしいと、いかにも中国第一と肩入れしてるふうな僕の書き方に、反発する方も、読者の中にはいるかもしれません。

けれど、中国も激変の時代の中にあるのだし、その中で人たちも変化していく。その変化のあとにはその時なりに、彼らの文化が、きっと出来上がっている、確実なゆるぎないものを作り上げている。
僕には、そんなふうに思えてならないのです。やっぱり肩入れしているのでしょうね。

おそらく日本のようにはならないのではないでしょうか。もっと違う何かをきっと見つけ出し、作り出していると思います。

中国人と日本人の比較論みたいになってしまいましたが、僕の人間観というものが、このたびでかなり変化を迫られたのは、事実です。

[カノコユリ]
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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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