日々思うこと

『蕪村寺再建縁起』8葉 根岸庵子規作 一軸斎不折画

冨田鋼一郎

ホトトギス明治34年1月31日

安永5年(1776)、蕪村らによる「洛東芭蕉庵再興記」になぞらえて、子規らが妖怪趣味のある蕪村をユーモアたっぷりに「蕪村庵再建縁起」をつくった

長く忘れ去られていた蕪村を見い出した子規の功績は大きなものがある

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あるところに三菓山蕪村寺といふおほでらありけるが、としふるまヽにすむ人もなくなりぬ
ほんだうはやけしゆろうはくづれくさむらおいしげりて、きつねたぬきのすみかとはなりける  

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かくて蕪村宗しんかうの人、日に月にふえければ、蕪村太祇几董三ぞんのひかりよにかくれなく、三菓山のほとりさんけいのもの、ひきもきらぬこそめでたかりけれ

○風呂吹の蕪(かぶら)も百十八回忌 鳴雪

○風呂吹をくふや蕪村の像の前 子規

○風呂吹をくひ得て寂と坐りけり 碧梧桐

○芭蕉はしぐれ蕪村は霰(あられ)にこそ 虚子

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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