日々思うこと

「風」アンソロジー

冨田鋼一郎

今年の立秋 8月7日

残暑お見舞い申し上げます

空の高いところに台風一過のような雲がかかっている

@@@@

○秋来ぬと目にはさやかにみえねども
 風の音にぞおどろかれぬる  
      藤原敏行 (古今和歌集)

@@@@

○秋くると合点させたるくさめ哉 蕪村

@@@@

さだまさし「風を見た人」部分

 風は見たことないけれど
 風の音なら聞くことができる
 心を見たことなどないのだけれど
 心は伝えられる 

 決して手は届かないけれど
 すべての青空はつながっている
 写真に写す事はできないけれど
 誰にも愛はある

☆☆☆

漱石『三四郎』のなかの雲の表現

「絹の光ったような濃い雲がしきりに飛んで行く。風の力が烈しいと見えて、雲の端が吹き散らされると、青い地が透いて見えるほどに薄くなる。あるいは吹き散らされながら、固まって、白く柔らかな針を集めたように、ささくれ立つ」

スポンサーリンク

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
記事URLをコピーしました