日々思うこと

社会を変える「フィランソロピー」

冨田鋼一郎

先日、軽井沢夏季大学で「覇権をめぐる400年」という講演があった。

覇権国家がどのように入れ替わり、どのように世界が成り立っているのか、詳細な説明を受けた。
勝った負けた、得か損かの基準で選択する国家の思惑の話ばかり。

講師は地政学の専門なので、世界の秩序は「国家(とくに覇権国家)」が作ると思っているらしい

国家は、重要なアクターの1つではあるけれども、それ以外にも重要なアクターがある

例えば、
○NPO NGOなどの国を超えた強力な市民ネットワーク
○企業の国際的なサプライチェーンのつながり
○地域・都市による外交
○国境を越える機能的インフラ(経済特区、鉄道、道路、パイプライン、海底光ファイバー)etc.

これらが重層的に重なって世界秩序は築かれていくのだろう

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ちょうど朝日グローブ第308号では「フィランソロピー 社会を変えるのは誰か」の特集があった

朝日グローブは通常、世界各地の記者が記事を分担して作るが、今回は、秋山訓子記者一人で担当している珍しいケース。

インド出張、クラウドファンディング、若い世代の変化などの取材記事は興味深い。

「資本主義はよくできたシステムだけれど、放っておくと格差が生まれ、広がってしまう。不安定な世界になり、頼れるゆるぎない何かがなくなった今、自分は世の中で何ができるかを問いたくなっている。社会に何か貢献したいというこの気持ちは不可逆だと思う」

社会課題に関心を向け、社会貢献に動く人が増えている。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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