読書逍遥第114回 『「生きている」とはどういうことか』カール・ジンマー著
冨田鋼一郎
有秋小春
図書館の意義について熱をこめて語る
☆☆☆
「図書館」とは、
そこに入ると、「敬虔な気持ち」になり、訪れた人たちにとっては「無知を可視化する装置」であること
つまり、自分がどれほどものを知らないのかを教えてくれる場所である
だから、粛然と襟を正して、「寸暇を惜しんで、学ばなければ」という決意を新たにする
図書館の教育的意義は、これに尽きる
「図書館」とは、「アーカイブするところ」である
書物であれ、美術品であれ、音楽であれ、アーカイブされた場所では、いつの間にかある種の「深淵」が開口し、そこに身を投じると、人は「地下水脈」に触れることができる
図書館では、簡単には答えが得られない深い質問(人間に関する質問は大体そうだ)に沈潜し、果てしない問答に没頭して過ごす
図書館で深い質問に沈潜すること自体が豊かさと喜びに満ちた時間となる