平成9年茨城県立歴史館「蕪村展」カタログに掲載・紹介されている「伝蕪村山水図」について面白い発見があった
カタログ解説には、
「結城下館地方には、この種の作品が数点存在すると言われる」
「模倣に終始した作品ではあるが、さすがに絵を描く技術には確かなものがある。いわゆる結城下館時代のうちの最も早い時期の作であろうと思われる。雲谷派の影響が見られる」
とある
落款がないので、「伝蕪村」となっている
構図と樹林や村落の描き方がそっくりの絵が「寛保習画帳」仮綴の中に発見した
蕪村の印「四明山人」が押してある
これによってカタログの「伝蕪村山水図」は、蕪村筆であると確定して齟齬はないと判断される
ABOUT ME
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。
各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。
著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)