週刊朝日
冨田鋼一郎
有秋小春
自己実現を実践するとき
大学で担当した講義は「自己実現」だった
テキストブックのない漠然とした授業名だが、「あなたの人生体験、職業体験をもとにして、若者に思いの丈を語ってください」と説得された
我ながらよく10年も続けたものだと思う
今振り返ると、仕事で勝手知った金融・経済・ビジネス分野でなかったことが良かった
カリキュラムを手作りしたが、その作業自体が自分の肥やしとなり、今の講演・執筆活動の基礎になったと実感する
改めて「自己実現」とはなんだろう
学生に知ったかぶりして講義してきた自分は、今まさに、「自分の自己実現」を実践すべきときである
「かけがえのない命」
「命とは自分が使える時間のこと」
「誰からも指示されない与えらた時間を大切に」
「自分探し」
こんな言葉が頭をよぎる
今日はこれから講演会「人間の心について」に臨む
漱石さんにすがりながら、一言一言噛み締めて語ってみよう