第20回『ケネディの道』セオドア・ソレンセン
冨田鋼一郎
有秋小春
吃驚(びつくり)したいといふのが、僕の願(ねがひ)なんです。不思議なる宇宙(人間を、自然を、そして、この世界のすべて)に驚きたいといふ願です。
僕等は、生まれて此の天地の間に来る。無我無心の小児(こども)の時から種々な事に出逢う。
毎日、太陽を見る。毎夜、星を仰ぐ。ここに於いて、この不可思議なる天地も一向不可思議でなくなる。生も死も、宇宙満般の現象も尋常茶番となってしまう。・・
僕の願いは、どうにかしてこの古び果てた習慣の圧力から脱(の)がれて、驚異の念を以て、此の宇宙に俯仰介立(ふぎやうかいりつ)したいのです。
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慣れは恐ろしい
この世に生を享けて以来、この地球にあまりに慣れ親しんできたので、何も不思議に思わなくなってしまった
「驚異の念」つまり「好奇心」を失わないこと
そのために、「吃驚(びっくり)」しなければ何もはじまらない