日々思うこと

都知事選期日前投票に行ってきた

冨田鋼一郎
[桔梗]

先日の衆院補選と続いて殺伐とした光景を見せつけられている

良識が抜け落ちると、規則破りと規則の追いかけごっこが始まり、どんどん世知辛い世になっていく

生活に追われていても美の世界に遊んだ蕪村は、御代の世の中を肯定していたようだ

⭕️畑うちや法三章の札のもと 蕪村

漢の高祖が秦の苛政を改め、法はわずかに三章。殺・傷・盗のみ。人々は新しい穏やかな法を示す高札のもとで、のびのびと畠打に精出している

⭕️隅々にのこる寒さや梅の花 蕪村

句意は明瞭だが、前書を読むとこの句には寓意が込められていることがわかる

(前書)
「すりこ木で重箱を洗ふごとくせよとは、政(まつりごと)の厳刻なるをいましめ給ふ。賢き御代の春にあふて」

「丸き木にて角なる器の中をかき回すごとくにあれば、事良きことなり。丸き器の内を回すがごとく隅々まで探せば、事の害出来候ぞ」という戒め

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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