「春を探す」
冨田鋼一郎
有秋小春
90年代スピルバーグ監督映画『シンドラーズリスト』で、ゲットー現場をこれでもかと見せつけられて胸が締め付けられたことがある。ホロコートを描いた作品ではこれが一番と思っていた。
今回の『関心領域』は、さらに考えさせらる映画なようだ。
「壁の向こうに関心を持たない。叫びを聞き流す、何も考えない。どれも日常的にやっていそうだ。だが、壁はいつでも崩壊する」(天声人語2024.5.29映画『関心領域』について)
我々日本人のことを言われたみたい。心に留めておきたい。
今、「つながるvsへだてる」について何か語ってみたいと材料を集めている。
この映画のメッセージを使うことにする。
そういえば、ある国のリーダーはことあるごとに「○○は自国にとって核心的利益」という。一方的であまりほめられた言葉ではない。
人は何かにつけて「壁」を作りたがる。日本人の「壁」も、他国から見て相当異様に映っているだろう。