渡辺崋山筆「風俗絵粉本」十葉画巻
冨田鋼一郎
有秋小春
慶長八 十 二十五 頌遊上
●まつ人もこぬ夜しられて明わたる
霜に銘なきうちのはし姫
首尾珍重也
うちいでし波ハ氷に見わたして
柴ハし也
霜の花ふむ谷の俤
●池水をたち行をしも澄月に
こほりの外の床やなからん
行→鳥也
●おしむべき山のあなたもなきうミの
浪にもをそき月の影哉
山のあなたもとあるは無之此影うたひし也
慶長8年(1603年)関ヶ原の戦い当時の筆。
貞徳は貞門俳諧の祖。
左端「山の・・」ではじまる2行が細川玄旨(幽斎)の加筆。
織豊-江戸時代前期の俳人、国学者。里村紹巴、細川幽斎に和歌、連歌をまなぶ。20歳ごろ豊臣秀吉の右筆となったが、関ケ原の戦い後は私塾で和歌や俳諧を指導した。名は勝熊。別号に長頭丸(ちょうずまる)、逍遊軒、延陀丸(えんだまる)、明心など。
別名、細川 藤孝(ほそかわ ふじたか)。雅号は幽斎玄旨。当代一流の文化人。