冨田鋼一郎
H28.2 x W22.4 (cm)
しののめやあじろあじろの親父ども 巣兆 印「松甫」
季語:網代(冬)
冬の明け方、網代漁にでかける男衆の浮き立つ気持ちが、「あじろあじろ」と繰り返す言葉で伺うことができる。縁先から網代を眺める親父の姿はどこかユーモラスだ。しののめと網代の愉快なことば遊び。
「しののめ」の「め」は、原始的住居の明かり取りの役目を果たしていた網代様(あじろよう)の粗い網目のことで、篠竹を材料として作られた「め」が「篠の目」と呼ばれた。これが明かり取りそのものの意になり、転じて夜明けの薄明かり、さらに夜明けそのものの意になった。
ABOUT ME

日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。
各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。
著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)