日々思うこと

グレタさんのインタビュー

冨田鋼一郎

過去2年余りで少なくとも8回拘束された
大半は地球温暖化問題での抗議活動で、ガザ支援での拘束は今回で2回目だった。

[グレタさんが拘束された主な活動]
2023年1月(ドイツ)炭鉱開発に反対する抗議活動
 3月(ノルウェー)先住民族の土地での風力発電に反対するデモ
 6月(スウェーデン)石油タンカーへの妨害活動。退去命令に従わず起訴され罰金刑
 10月(英国)石油・ガス関連会社幹部の会議への妨害活動

24年4月(オランダ)化石燃料への補助金に反対する抗議活動
 9月(デンマーク)ガザでの戦闘に反対するデモ
 10月(ベルギー)化石燃料への補助金に反対する座り込み

25年6月(ガザ沖)ガザへの救援物資輸送。乗っていた船が拿捕、送還

グレタさんの言葉一つひとつが胸に迫ってくる

パレスチナを国家として承認した国は150カ国にのぼる。フランスが承認を検討していると報じられた。

☆☆☆

朝日新聞夕刊より2025.6.11り

「正直なところ、世界には『若く、憤っている女性』がもっと必要だと私は思います。まさにいま起きていることを考えれば、なおさらです」

「このミッションは、社会・気候正義、解放や脱植民地化のため、抑圧された人びとが率いる世界規模の運動の一環です。歴史の正しい側に立ちたいのなら、この運動に加わることが義務であり、今がその時です」

「社会正義なしに、気候正義は存在しません。二酸化炭素であれ爆弾であれ、国家による抑圧であれ他の形の暴力であれ、私たちは苦痛の源に対して立ち上がらなければなりません」

「環境や気候、子どもたちの未来について気にかけるふりをしながら、現代の人びとの苦痛を見ることも、認識することも、そのために闘うこともしないのなら、それは世界の大半の人びとを排除する、極めて差別的な『正義』へのアプローチです」

「私たちは何も間違ったことをしていません。重要なのは確率がどうであれ、トライし続ける必要があるということです。この瞬間の世界の状況を見れば、すべてが無駄に感じてしまう。でも、できる限りのことをトライしなくなってしまえば、その時こそ、希望を失ってしまうのです」

ーーただ、ガザの状に対する多くの国の反応は冷淡だ。それどころか、欧米の国々はイスラエルへの武器輸出を続けている。なぜだろうか。グレタさんは即答した。
「人種差別です。シンプルな答えです。短期的な経済的利益を得る、地政学的な力を最大化する。そうしたことを人類や地球の幸福より優先するような、破壊的で致命的なシステムを必死に守ろうとしているのです」
「でももはや、道義的にそれを守ることはとても、とても困難です。不可能なんです。それにもかかわらず彼らは必死にやろうとしている。荒唐無稽というか、表現する言葉が見つかりません」

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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