日々思うこと

「深刻な少子高齢化」と「分断され失う想像力」

冨田鋼一郎

縮む社会についての一考察
「社会季評」 東畑開人
2025.6.19 朝日

東畑開人氏の「社会季評」 を興味深く読んだ
私なりにまとめてみた

☆☆☆

日本より深刻な超少子高齢化が進む韓国で世代間分断が急速に強まっていることをヒントに、「縮む社会」について考える

「縮む社会」で、子ども子育て世代、高齢者という周囲のケアが必要な存在に対する排除が目につくようになる

背景に、若者たちの剥奪感がある
多くの若者が雇用から排除され、これが別の弱者に対する排除を生んでいる

排除の悪循環が”憎しみの連鎖メカニズム”の根底にある
排除されるなら、私も排除したくなる
移民・難民への風当たりも同じメカニズムに入る

「縮む社会」は多くの人からなにがしかを奪うから、人は他の誰かのものを奪いたくなり、憎しみがあふれる

世代間の分断 その時、真に失われているのは、「時間」をめぐる想像力だろう

「高齢者は過去を作った他者」
「子どもは未来を作る他者」
どうして今を生きる人は、過去を作った人と未来を作る人と共感しえないのだろう

未来が見えない、「想像できる時間が縮む」とき、人々は現在しか存在しなくなる。すると、現時点での弱者との重なりや連続性が見えなくなってしまう

「縮む社会」が多くの弱者・被害者を生み出し、排除の論理が先鋭化し、分断を促進する

「少子化の罠」「悪循環」は、どうすればほどけるのだろう

小手先の少子高齢化対策では、効果はない

キーワードは「縮む社会」の深い理解

隣国や過去の「縮む社会」の経験から学ぶことは多いはずだ

そういえば、若者たちの投票率の低さが気になる 政治を変える勢力になるべき世代が政治に背を向けてどうするのだろう 
「諦め」は、現状追認にしかならない

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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