読書逍遥第178回 『国境と人類』ジェームズ・クロフォード著
冨田鋼一郎
有秋小春

[単式顕微鏡と粘菌]
熊楠がフィールドワークで持ち歩いたのが、単式顕微鏡。
ダーウィンがビーグル号航海に携帯し、ロバートブラウンがブラウン運動や細胞核の発見したのも単式顕微鏡。粗末に見えるが、高い性能を持つ。
レーウェンフックが発明して以来、この古式な道具が活躍した。
19世紀後半、苔、地衣類、キノコなど隠花植物の研究には顕微鏡の進歩・普及が不可欠。