日々思うこと

桜が終わって、季節は夏に移る

冨田鋼一郎

⭕️けふのみの春を歩いて仕舞けり 蕪村

今日限りで終わる春の名残を惜しんで、一日を歩き暮らしてしまった。

⭕️春をしむひとや榎(えのき)にかくれけり 蕪村

榎: 「夏」の「木」の文字遊びを利かせる

行く春を惜しんで、郊行を楽しむ人の姿が、夏の木すなわち榎の陰に隠れて見えなくなった。もう半分夏の世界の人となったらしい。

[神田川沿いの桜並木に混じって榎木がある]
すくすくと若葉を茂らせて、人が隠れやすい

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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