蕪村三大「いばら」句

冨田鋼一郎

蕪村の青春の象徴である「いばら」「岡」

「蕪村俳句集」夏の部に三句並んでいる

  かの東皐(とうこう)にのぼれば
⭕️花いばら故郷の路に似たるかな

⭕️路たえて香にせまり咲いばらかな

⭕️愁ひつ﹅岡にのぼれば花いばら

東皐(とうこう)とは陶淵明の「帰去来辞」からきている。すなわちつぎの詩句である。

 登東皐以舒嘯
 臨清流而賦詩

東皐に登って以て舒(おもむ)ろに嘯(うそぶ)き
清流に臨んで詩を賦す

○こでまりの花に風いできたりけり 万太郎

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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