日々思うこと

卒業式のシーズン

冨田鋼一郎

若者たちの旅立ちの季節になった
巣立ちとはよく言ったものだ
この時期に思い出すのは、晩年の親父の姿

父はまだ会社勤めだったが、70代中頃に人から推されて蔵前国技館近くにある銀行関連の商業高校の非常勤の校長を拝命した
男子校だった

式辞の挨拶文を筆で巻物にしたものが遺っている
よほど緊張していたのだろう

卒業式の短歌もいくつかある

⭕️はためける日の丸すがしき門くぐり卒業式の行事に出づる

⭕️それぞれに思いたがわん君が代を声揃え歌う卒業式に

⭕️壇上のわが前に進み賞受くる生徒の瞳の澄める輝き

⭕️見送りの生徒の列に手を振れる卒業生に屈託のなく

⭕️声あげて見送る一団の毬栗は野球部とう無邪気に明るき

スポンサーリンク

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
記事URLをコピーしました