読書逍遥

読書逍遥第554回『ローマ亡き後の地中海世界』(その5) 海賊、そして海軍 塩野七生著

冨田鋼一郎

『ローマ亡き後の地中海世界』(その5) 海賊、そして海軍 塩野七生著

「EUやヨーロッパ」という捉え方には長い歴史がある

ローマ帝国、西ローマ帝国、東ローマ帝国、ビザンチン帝国、神聖ローマ帝国などの似たような名前は、南東イスラム勢力と北方蛮族との関係を踏まえなければ理解できない

神聖ローマ帝国という紛らわしい帝国がようやく頭に入った

現在ブリュッセルのEU関係ビルのひとつは「シャルル・マーニュ(シャルル大帝)と名付けられているという

[神聖ローマ帝国の起こり]

西暦800年 フランク王国シャルル・マーニュが神聖ローマ帝国皇帝の冠をローマ法王から授けられる
→「ヨーロッパの誕生」
“キリスト教を中核にしたヨーロッパの大団結”

ローマ法王レオ三世 この時代のキリスト教世界全体のリーダーとしての自覚と責任を感じていた ただし独自の軍事力を持たず

頼りとなるはずのビザンチン帝国との関係が良好でなかったことで、次善の策として、フランク族が登場する

ローマ帝国末期ライン川をわたりガリアに進出した北方蛮族に過ぎないフランク族は400年を過ぎた中世末期になると、法王のためヨーロッパの守護者に任じられることになる

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冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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