第100回 『中世ヨーロッパ全史』(その2)ダン・ジョーンズ
冨田鋼一郎
有秋小春
「EUやヨーロッパ」という捉え方には長い歴史がある
ローマ帝国、西ローマ帝国、東ローマ帝国、ビザンチン帝国、神聖ローマ帝国などの似たような名前は、南東イスラム勢力と北方蛮族との関係を踏まえなければ理解できない
神聖ローマ帝国という紛らわしい帝国がようやく頭に入った
現在ブリュッセルのEU関係ビルのひとつは「シャルル・マーニュ(シャルル大帝)と名付けられているという
[神聖ローマ帝国の起こり]
西暦800年 フランク王国シャルル・マーニュが神聖ローマ帝国皇帝の冠をローマ法王から授けられる
→「ヨーロッパの誕生」
“キリスト教を中核にしたヨーロッパの大団結”
ローマ法王レオ三世 この時代のキリスト教世界全体のリーダーとしての自覚と責任を感じていた ただし独自の軍事力を持たず
頼りとなるはずのビザンチン帝国との関係が良好でなかったことで、次善の策として、フランク族が登場する
ローマ帝国末期ライン川をわたりガリアに進出した北方蛮族に過ぎないフランク族は400年を過ぎた中世末期になると、法王のためヨーロッパの守護者に任じられることになる