第57回『音楽への旅』森本哲郎
冨田鋼一郎
有秋小春
バイデン・トランプ両大統領とも恩赦連発した
[恩赦について]
恩赦という制度は中国古代に淵源し、日本にも伝わってきた。ところがこの制度、本場の中国において古来すこぶる評判が悪い。
春秋時代、管仲が著したと伝えられる古典『管子』の中に既にその弊害が指摘されている。
「赦は小利にして大害あり、これを行えば久しくして、その禍に勝(た)えず。赦をなくせば小害あるも大利あり。久しくしてその福に勝(た)えず。故に赦なるものは、馬を走らせ手綱を失えるが如し。赦をなくすは、難病を癒す妙薬を得るが如し」と。
およそ一犯罪に対する判決は、検察側と司法側と血のにじむような苦心と忍耐によって過去を再現し、慎重に法を選んで適用した結果である。それが人心一新というような曖昧な理由で、一瞬に棒引きにされる。当事者の無念察するに余りある。なおその裏にはこれを支える国民の払った巨額の税金がある。