読書逍遥第455回『中国小史 黄河の水』(その1) 昭和2年(1926)発刊 鳥山喜一(1887-1959)著
冨田鋼一郎
有秋小春
ようやく中国史の泰斗、宮崎市定の著作のなかから手軽そうなエッセイを手にする
何事も知らないことを面白いと感じること
しなやかな精神は、無知を喜ぶ・驚く、面白いなと好奇心のある人に保持される
好奇心は身体の衰えを補って余りある
[長寿の秘訣 ”面白い”]
著者の恩師、卒寿を過ぎた矢野仁一博士(1872-1970)の回顧録『燕洛間記』から引用
「清朝時代の中国と外国との関係ほど面白い研究問題は無い
清朝時代の英国との関係のような面白い歴史は、清朝以前かつてあっただろうか
清朝時代の中国とロシアとの関係も面白い
ポルトガルとの関係は明朝時代からのことだが、非常に面白い」
章の改まるごとに「面白い」を連発されている。ここに矢野先生の長寿の条件があった。