読書逍遥

読書逍遥第540回『遊心譜』(その1) 宮崎市定著

冨田鋼一郎

『遊心譜』(その1) 宮崎市定著

ようやく中国史の泰斗、宮崎市定の著作のなかから手軽そうなエッセイを手にする

何事も知らないことを面白いと感じること 
しなやかな精神は、無知を喜ぶ・驚く、面白いなと好奇心のある人に保持される

好奇心は身体の衰えを補って余りある

[長寿の秘訣 ”面白い”]

著者の恩師、卒寿を過ぎた矢野仁一博士(1872-1970)の回顧録『燕洛間記』から引用

「清朝時代の中国と外国との関係ほど面白い研究問題は無い

清朝時代の英国との関係のような面白い歴史は、清朝以前かつてあっただろうか

清朝時代の中国とロシアとの関係も面白い

ポルトガルとの関係は明朝時代からのことだが、非常に面白い」

章の改まるごとに「面白い」を連発されている。ここに矢野先生の長寿の条件があった。

スポンサーリンク

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
記事URLをコピーしました