読書逍遥

読書逍遥第533回『ブルーマシン』(その7) 副題: 海というエンジンと人類史 ヘレン・チェルスキー著

冨田鋼一郎

『ブルーマシン』(その7) 副題: 海というエンジンと人類史 ヘレン・チェルスキー著

[水の働き]

蒸留(ディスティレーション)と散布(ディストリビューション)

海水は液状のストレージシステム(太陽エネルギーを貯蔵)

海は地球の温度計だ。広大な渦を巻く青は惑星全体のエネルギー貯蔵庫として機能するため、その平均温度は地球に蓄えられている熱エネルギー量の尺度になる。

また、海は地球の気候の起伏の激しいエネルギー供給を平準化し、昼と夜、夏と冬の違いを平準化する巨大な緩衝装置だ。

これがもたらす安定は地球上の生命にとって極めて重要なもので、私たちすべてが依拠している繊細な生化学的機構が、気温の大幅な変動によって、簡単に凍ったり、暑さにやられたりする可能性を防ぎ、私たちを守っている。

しかしながら、温度は海というエンジンを駆動する影響力のある事柄のうちの1つに過ぎない。万物のうちでも目立たず、誰でも知っていて、全くありふれたもの、塩にも目を向けなければならない

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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