二つの憲法議論
冨田鋼一郎
有秋小春
[粗枝大葉の文 放胆文のすすめ]
「およそ文を学ぶは、初めは胆の大なるを要し、終わりは心の小なるを要す。粗より細に入り、俗より雅に入り、繁より簡に入れ。この集は皆、粗枝大葉の文にして、礼儀に本づき、世事に老け、人情に合す」
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「粗枝大葉」とは、大筋のところを押さえて、骨格のしっかりしたのびのびした勢いのある文章のこと
『文章軌範』
宋の謝枋得が編纂した、唐宋の「古文」の名作文章の選集文献
古文とは、六朝時代に流行したほぼ全てが対句で構成された極端に装飾的な駢文に対して、唐の柳宗元・韓愈たちが提唱した文体である。簡潔で雄健な調子で、考えをそのまま表現した古代の文章を理想(故に規範)とする。
掲載されている文章は高級官吏登用の科挙に際し、科目作文の模範となるべきものを選び出したもので、現代の受験参考書や模範文例集といった位置づけである
日本には室町時代末期に紹介され、特に江戸時代後期以降に和本が多く刷られ愛読された。
謝枋得(しゃほうとく、1226-1289)
中国南宋末期の政治家・学者。