読書逍遥第383回『芭蕉の世界』(第2章) 尾形仂著
冨田鋼一郎
有秋小春
[海や島を恐れる漢民族]
この間台湾の横っ腹にある与那国島に行ってわかったんだけれども、そこでは日本語の一般を話して、つまり中国語の影響受けていないわけだ。
なぜ漢民族はここまで来なかったのかとよく考えてみたら、民族は海や島を特に恐れたり嫌ったりするのだ。
漁をして食べていく技術がないから、こんなに中国の近くに島があっても来たがらない。
だから、台湾に漢民族がやってくるのは、ずっと時代が下るわけで、日本の時代区分で言えば、徳川初期だ。
漢民族は海や島を恐れた。恐らく舟山列島とか海南島とか、中国周辺にはいろんな島があるけれども、当時は漢民族的風習を持っていない連中が住んでいたんだろう。
漢民族というのは大陸でないと安心できない。大陸でなかったらメシが食えないという文化を持つ巨大で頑固な農耕民族だという感じがしたな。