日々思うこと

二つの憲法議論

冨田鋼一郎

今、憲法21条と13条をめぐる二つの判断が話題になっている

「企業・団体献金の禁止」は表現の自由に抵触するの? 政府は苦し紛れに憲法を持ち出す

「同性婚認めないのは “憲法13条違反”福岡高裁」 こちらこそ憲法条文をめぐるもの

①「企業・団体献金の禁止」について首相苦しい答弁

政治と金の問題で、企業・団体献金の禁止が争点になっている

こんな時だけ憲法を持ち出し、都合よく解釈する政権 改憲論を振りかざしていたのではないの?

⭕️そうならば河野細川憲法違反

朝日川柳(2024.12.13北海道小野寺裕次氏)

☆☆
石破茂首相は10日の衆院予算委員会で、野党が要求する企業・団体献金の禁止に関し「企業も表現の自由は有している。献金を禁じることは、少なくとも憲法21条には抵触すると考える」との見解を明らかにした。

企業・団体献金に関しては、禁止に反対するのは参政権侵害に当たると考えるからかと立憲民主党の米山隆一氏に問われ「参政権ではなく表現の自由だ」と答えた。

[献金禁止の「憲法抵触」答弁を修正 石破首相、杉尾秀哉氏に問われ] 2024/12/13 10:54朝日

石破茂首相は13日午前の参院予算委員会で、企業・団体献金を禁止することが表現の自由を保障する憲法21条に「抵触する」とした自らの国会答弁について、「言い方が足りなかった」と述べた。野党に疑問視され、答弁を修正したかたちだ。

首相は10日の衆院予算委で、野党側が主張する企業・団体献金の禁止に応じない立場を示す中で、「企業も表現の自由を有している。企業・団体献金を禁ずることは少なくとも憲法21条に抵触すると思う」と答弁していた。

13日の参院予算委で憲法違反にあたると考えるかと改めて問われ、首相は「違反するとまでは申しません。そこは言い方が足りなかった」と衆院での答弁を修正した上で、「少なくとも企業・団体献金の憲法上の根拠が憲法21条である以上、禁止となれば、21条との関連は法律学上、議論されなければならない」と述べた。

②同性婚認めないのは “憲法13条違反”
初判断 福岡高裁

2024年12月13日 朝日
同性どうしの結婚が認められていないのは憲法に違反するとして、福岡県と熊本県に住む3組の同性のカップルが国を訴えた裁判で、2審の福岡高等裁判所は、「同性カップルによる婚姻を法制度として認めない理由はもはや存在しない」と指摘し、幸福追求権を保障した憲法13条に違反するという初めての判断を示しました。
同様の裁判の2審で憲法違反の判断は3件目ですが、国に法整備の必要性を強く迫る異例の判決となりました。

憲法13条「幸福追求権」

第十三条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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