読書逍遥

読書逍遥第484回『ルネサンスとは何であったのか』(その5) 塩野七生著

冨田鋼一郎

『ルネサンスとは何であったのか』(その5) 塩野七生著

著者の著述は、司馬遼太郎の文章に似て、気宇壮大だ

自然現象、地形、人物、思想、学問、制度、貨幣、建築、都市計画、インフラ(土木)、史実を織り交ぜながら、ときに細部にこだわり、ときに全体を鳥瞰する

著者はオーケストラ全体を操る指揮者のようだ

歴史(世界史)はこのように楽しみながら学ぶ

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キケロもマキアヴェッリも活用したという疑問に答えるという対話方式を採用した

次々と繰り出される質問に答える記述なので、読者は的を絞り易くありがたい

・フィレンツェで考える
・ローマで考える
・キアンティ地方のグレーヴェにて
・ヴェネツィアで考える
・対談 塩野七生/三浦雅士

第1章の「フィレンツェで考える」だけでも情報満載 

13世紀、ルネサンス期に入り、人口増加が始まる。その要因は何か

[イタリア半島住民数の推移]
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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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