読書逍遥

読書逍遥第481回『ルネサンスとは何であったのか』(その2) 塩野七生著

冨田鋼一郎

『ルネサンスとは何であったのか』(その2) 塩野七生著

著者の本には、必ず「はじめに」とか「読者に」とかがあり、著述の意図が吐露される

ここは必読の個所

☆☆☆
学生時代 学習院大学哲学科で学ぶ
卒論「15世紀フィレンツェの美術」 
本物を見ず写真だけで卒業論文を書く
3人の指導教官を独り占めの贅沢
・富永惣一(西洋美術)
・下村寅太郎(中世思想史)
・呉茂一(ギリシャローマ文学)

二年後、フィレンツェウフィッツィ美術館に通い詰める

「初めて見る芸術作品の傑作の数々を前にして、私は、感動するより何よりも、存在しうるかぎりの神々に誓った。死んでも作品の「解説」はしない、と。

芸術作品とは、仲介者なしでそれと一対一で向かい合い、作者が表現しようとしたことを虚心に受けとめるべきものだ、と感じたのである。

作者との一対一の関係に慣れるには、何よりも出来る限り多くの傑作を「自分の眼でじかに見る」ことが重要だ。

それからニ年間、イタリアを軸にして放射線状に、ヨーロッパと中近東と北アフリカを見てまわった。ミシュランのガイドブックがボロボロになったくらいだった。」

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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