読書逍遥

読書逍遥第475回『人類の祖先に会いに行く』(その10) 15人のヒトが伝える進化の物語 グイド・バルブイアーニ著

冨田鋼一郎

『人類の祖先に会いに行く』(その10) 15人のヒトが伝える進化の物語 グイド・バルブイアーニ著

ホモ・サピエンス
アブリ・ドゥ・カプ・ブラン(マドレーヌの少女)

1.5万年前(間氷期のはじまり)
1911フランスにて

旧石器時代の芸術

進化のある時点で、人類は「何の役にも立たないもの」を作るようになった。それは美しく、目を楽しませるが、ただそれだけだった。

日々を生き抜くことは、なおも困難だったが、かつてほど過酷な生活はもはやなく、生き延びることとは関係ない、けれど、相当に骨の折れる活動に従事する時間が生まれていた。そして人 ヒトは手形や、小さな石像やを手がけるようになった。その次が、洞窟壁画の傑作の数々。そして浅い浮き彫り、宝石も忘れてはならない。

発見場所 フランスドルドーニュ ラスコー(旧石器時代のシスティーナ礼拝堂)から車で一時間

マドレーヌ文化 洞窟で暮らす
埋葬の習慣 人類はすでに「彼岸」にたいするなんらかの認識があったのか

絵を描く事は、単なる気晴らしだったのか、それとも、絵には魔術的、儀式的な目的が込められていたのか、はっきりとした答えを出すのは難しい

旧石器時代のアーティストたちは、「目で見たもの」を、知的な媒介を抜きにして描くことで、現代の芸術が長いプロセスを経て、はじめて創造し得た作品に近い成果を生み出していた。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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